植民地時代から21世紀までのアメリカ文学・文化を様々なキーワードを駆使して読み解いていく研究会です。いま抜本的な変化を遂げているアメリカ研究という学際的な研究手法について学びつつ、多様なバックグラウンドを持つアメリカの作家・詩人たちが生み出したテクストを読んでいきます。文学がミクロとマクロ、虚構と現実の世界、その過去、現在、未来を独自のスタイルで表象し、今ある世界を肯定したり、批判したりする以上、アメリカ文学研究にもフレキシブルで多角的なアプローチが求められます。本研究会では、テキストをじっくり読んだり(精読)、巨視的に読んだり(遠読)、斜め読みすることで、アメリカ文学が描く世界の複雑な輪郭、多彩なテーマ(国民国家、階級、人種、ジェンダー、セクシャリティー、伝統、帝国、テクノロジー、トランスナショナリズム、プリミティヴィズム、プラネタリティ、戦争、飢餓、困窮、労働、遊び、旅行、音楽、宗教、身体性など)を可能な限り正確に、かつヴィヴィッドに認識、理解できるようにトレーニングします。今年度からスタートするのでまだ白紙のキャンバスのような状態ではありますが、みなさんの意見を取り入れつつ、型にはまらないオープンな研究会にしていけたらと思っています。
有光 道生
アフリカ系アメリカ文学を中心に、比較文学、トランスナショナリズム、コスモポリタニズム、詩論、人種表象などを研究しています。いまはアジア(特に戦後日本)における黒人文学の受容の歴史についてもリサーチしています。