この研究会では、いわゆる「欧米」と認識される地域を取り巻く場所から/について書かれた文学作品を読んでいきます。
ことばを介して、日常生活で思いを馳せる機会の少ない土地に旅立つこともあるでしょうし、よく知っているはずの地域の知られざる部分に踏み込むこともあるかもしれません。その過程で、遠く離れた地の思考や感情や行動に思わぬ近しさを感じたり、逆に極めて身近なはずの存在が「他者」としての絶対的な隔たりを露わにしたりするかもしれません。そのような出会いは、あなたの知覚や思考の幅を、ほんの少しではあっても決定的に拡げることになるでしょう。
世界というものの広さに戸惑いながらも、彼ら/彼女が発する声を受け止め、論文として自分なりに応答してみることで、あなた自身が更新される。そんな場になればと思います。
浜田和範
ウルグアイとアルゼンチンを中心とした現代ラテンアメリカ文学を研究しています。