教授より:
・行政法の勉強は抽象的で分かりにくいといわれがちですが、詰まるところ「公共の福祉を、誰がどのような手続で決定し、実現していくか。その際に、国民一人ひとりの権利利益はいかに保護されるか」という十分身近な課題を、法的にバランスよく考察しようとする学問に他なりません。無味乾燥な勉強ではないですし、ましてや役人の採用・昇進試験のためだけのものなんてことはありません。医事法は学際的な領域で、医療事故や臓器移植など民刑事法とも密接に関わりますが、医療従事者の資格や医療機関に対する規制、感染症・予防接種、医療情報の保護と利用、医学研究の振興と被験者保護、介護や福祉との連携など、行政法と接点を持たざるを得ないテーマが山積しています。
COVID-19対策も、行政法と医事法双方に関わるテーマです。生命倫理学と交錯する課題も多く、行き過ぎた人体実験の規制や、人の生き死に関わる話等 どこかに正解が書いてあるわけではない現代的な課題について、どうにかもがいて考えて道筋を見つけようとする、真摯にじっくり取り組む姿勢が必要となります。
・本ゼミの構成の自由度は極めて高いつもりでいます。ゼミ生諸君には、予習復習とか細かくは言いません、真剣に学問をやることと、担当者・ゼミ生間の豊かな交流と相互の協力によって、気持ちの良い環境で充実したゼミ活動を送っていただきたいと心から望んでいます(そういう心づもりのない方には、ご遠慮願います)。「沢山の本を読み、仲間と議論し、徹底的に考え抜く」、ゼミを通じてそんな時間を過ごしてほしいです。
学生より:
磯部ゼミは行政法と医事法を学ぶゼミです。行政法は非常に多様な法律に触れることのできる分野です。教科書で紹介されている判例などを通して、法律自体や判例法理への理解を深めています!また、医事法に関しても、興味を持つ学生が非常に多いです。日常的に今後の医療のあり方に関する議論が活発に交わされています!3・4年生合同でゼミを実施しています。幅広い法律に触れてみたい方は、是非磯部ゼミへお越しください!
磯部 哲
1995年3月慶應義塾大学法学部法律学科卒業
2000年3月一橋大学大学院法学研究科博士後期課程修了
博士(法学)(2000年3月一橋大学)
職位:大学院法務研究科教授