小嶋 華津子 研究会(2025年度) 募集要項
―現代中国の政治・外交―
2024 年10月31 日
1.ゼミの内容:現代中国の政治と外交
本研究会は、現代中国の政治・外交について研究します。流動化する国際政治において、大国中国の動向は、秩序形成に影響を与える重要なファクターとなっています。また、隣国である日本の安全や福祉にとっても、中国との関係は極めて重要です。対して、メディアが捉える中国像は往々にして表層的であり、その言説には先入観によるバイアスが多々見られます。政治学の概念や理論枠組みも、慎重に使わなければ、中国の政治の営みの本質を掬い取ることができません。等身大の中国を捉え、政治・経済・社会の動態を内在的に理解する「知」の重要性は、現実社会においても、学問の分野においてもますます高まっていると言えるでしょう。本研究会では、文献精読、ディベート、論文作成などを通じて、中国政治のダイナミズムを歴史的、構造的に捉える視点を養います。中国理解を通じて、血の通った政治学を探究したい皆さんの応募をお待ちしています。
具体的には、次のような方法で研究を進めたいと考えています。
【3年生】
第一に、現代中国の政治・外交にかかわる幅広い基礎文献を読みます。各自が論点メモ(A4判・1枚、和文1000字程度)を準備し、それに基づき討論を行います。その目的は、各自の文献読解能力を向上させるとともに、実のある議論に必要な基礎知識・視角の共有を図るところにあります。
第二に、チームに分かれて、ディベートを行います。一つの命題について、チームで協力して情報を集め、肯定論・否定論双方から論理的に議論を組み立て、限られた時間で説得力のある弁論を行う訓練です。
第三に、卒業論文執筆に向けた研究報告を行います。本ゼミに入った3年生には、4年次に卒業論文を書き上げ、提出することを約束していただきます。3年生の秋学期には、学術論文の書き方、資料収集の方法について学び、4年次にスムーズに卒業論文執筆に入るための企画書の作成を進めます。
第四に、不規則に、他大学(東京大学、筑波大学、早稲田大学、立教大学、学習院大学)の中国政治ゼミとのインカレ・ゼミが行われたり、日中友好大学生訪中団の募集がかかったりします。ソフトボール、合宿、三田祭など)については、皆で話し合って決めましょう。
【4年生】
卒業論文の執筆を進めます。少人数のグループ内での中間報告、ゼミ員全員の前での中間報告を経て、1月上旬までに学術論文を書き上げます(『政治学研究』への投稿を希望する場合には、11月末までに第一稿を提出し、修正を重ね、仕上げます)。
2.開講曜時限:春・秋 火曜3時限
*4時限目に行われる4年生対象のゼミに出席を求めたり、3−4時限目を通して映画鑑賞をしたりする場合もありますので、4時限目も空けておいてください。
3.評価方法ほか留意事項
ゼミでの発表、議論への参加を見て総合的に評価します。なお、欠席は特段の理由が無い限り認めません。やむを得ず欠席する場合には前日までに小嶋まで連絡することが必要です。
4.入ゼミ課題・選抜方法
(1)2024年1月28日(火)午後11時59分までに、下記のものをEメールに添付し、送付してください(kazuko.kojima@keio.jp)。1-2日以内に受領メールをお送りします。受領メールが届かない場合は、入ゼミ委員(eyg43a-57o@keio.jp、sashimitosoba@keio.jp)にご連絡ください。
①自己PR:所属学部(学科)・学籍番号、氏名、メールアドレス、志望動機、自己PR、ゼミへの希望などを、A4判1枚に、できるだけ具体的に書いてください。
②天児慧『中国政治の社会態制』(岩波書店、2018年)を読み、4000字程度で書評論文を書いてください。
③以下の小説の中から一つ選び、2000字程度で感想を書いてください。
*王力雄著、金谷譲訳『セレモニー』(藤原書店、2019年)
*陳冠中著、辻康吾監修、舘野雅子訳『しあわせ中国―盛世2013年』(新潮社、2012年)
(2)上記のものを遅滞なく提出した者について、統一選考日に面接を行います。
そのほか、何かご質問があれば、小嶋(kazuko.kojima@keio.jp)あるいは入ゼミ委員(eyg43a-57o@keio.jp、sashimitosoba@keio.jp)までお問い合わせください。