本研究会ではアメリカの音楽文化を中心に取り上げ、少人数の演習形式で論文などを講読します。R&B、ヒップホップ、ジャズ、ミュージカル、ロック、カントリー、ブルースなど、アメリカの音楽ジャンルを歴史や社会とのかかわりにおいて考察し、音楽文化のさまざまな分析手法を学びます。必ずしも熱心な音楽ファンである必要はなく、むしろ文化研究や批評理論などに関心がある学生も歓迎します。
個々の研究テーマとしては、
・ポピュラー音楽とジェンダー/人種/階級
・アメリカの地域文化とポピュラー音楽
・ファン・コミュニティーの様相
・音楽著作権の歴史
・テクノロジーとポピュラー音楽
・音楽メディアの変遷(レコード、CD、ストリーミング etc…)
・日米のポピュラー音楽交流
などがありうるでしょう。
三年生は主として三田祭で配布する同人誌の編集作業に取り組み、四年生は卒業論文の完成を目指します。
大和田 俊之
慶應義塾大学法学部教授。専門はアメリカ文学、ポピュラー音楽研究。『アメリカ音楽史—ミンストレル・ショウ、ブルースからヒップホップまで』(講談社)で第33回サントリー学芸賞受賞。他に、長谷川町蔵との共著『文化系のためのヒップホップ入門1、2』(アルテスパブリッシング)、栗原裕一郎編著『村上春樹の100曲』(立東舎)、磯部涼、吉田雅史との共著『ラップは何を映しているのか』(毎日新聞出版)、細川周平編著『民謡からみた世界音楽』(ミネルヴァ書房)などがある。