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法律学科 フィリップ・オステン(国際刑事法)

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教授より:

本研究会は、現在の国際刑事法およびその成立過程を主な対象とする。国際刑事法は、確立してからまだ日が浅い法分野であるが、最近、ウクライナ戦争を受け、日本でも広く注目される分野となった。

本ゼミでは、学生が主体となり、班形式で主に事例問題や判例等について研究発表し、全員で討論を行う。指定または希望されたテーマについて、原則4名の班(レポーター2名、ディスカッサント1名、書記1名)を作ってレポートし、それを中心に、ディスカッサントの司会により徹底的に議論を行う。

具体的には、3年次には、主として広義の国際刑法(国際法の刑事法的側面)について研究を行う。それに先だって、まず、国際刑事法の意義、すなわち学問としての位置づけおよび法分野としての射程範囲について、導入文献等に基づいて全員で学習し発表する。次いで、報告者(班)の発表を通じて、国際刑法の歴史的基礎を検討する。すなわち、啓蒙時代や19世紀における初歩的な動向からはじめ,第1次世界大戦後・戦間期における国際刑法の規範的・理論的展開をたどり、第2次世界大戦後の発展(ニュルンベルク・東京両国際軍事裁判、ジェノサイド条約等)、国際犯罪の法典化・国際刑事司法の常設化の試み等を追究していく。そして、現代に目を転じ、旧ユーゴ・ルワンダ両国際刑事裁判所および2002年に設立された(常設の)国際刑事裁判所(ICC)を中心に、ゼミ生による発表や関連資料(外国語文献を含む)を通じて、今日の国際刑事(司)法システムにおける問題点・争点・課題について徹底的に研究を行う。特に、日本も2007年に締約国となったICCについて、その管轄権の構造、対象犯罪(ジェノサイド罪、人道に対する犯罪、戦争犯罪、侵略犯罪といった「中核犯罪」)などについて検討していく。さらに、ICCの近時の判例を素材に、国際刑法における刑法総則的概念をめぐる諸論点(共犯論、責任論など)についても徹底的に追究していく。

また、4年次には、狭義の国際刑法(国内刑事法の国際的側面)、すなわち刑法の場所的適用範囲、国外犯処罰、犯罪人引渡し、刑事司法共助や刑事法におけるグローバリゼーションの動向(越境犯罪、来日外国人犯罪、受刑者移送制度等)についても幅広く研究を行う予定である。

本研究会は、「日本初」の国際刑事法講座であるため、ゼミをともに発展させる意欲に富む者、開拓者精神にあふれる学生の参集を期待する。諸君が、新しい法分野に挑戦するにあたり、協力し合って、ともに学習し、積極的に議論に参加することを望む。本研究会における議論の雰囲気が、生き生きと、のびのびと、自由闊達で活気あふれるものになれば幸いである。

 

学生より:

オステンゼミではStudy Hard, Play Hard. のスローガンのもと、勉強と遊びの双方に全力で取り組んでいます!!国際刑事法・刑法に関心がある人、国際情勢に興味がある人、どんな人も大歓迎です。入ゼミお待ちしています!!

PROFESSOR MEMBER

オステン, フィリップ

オステン, フィリップ

フンボルト大学法学部(ドイツ、ベルリン)(1999年卒業)、慶應義塾大学法学部法律学科(1994年ー96年)

慶應義塾大学大学院法学研究科公法学専攻後期博士課程(2002年単位取得退学)、法学博士(ベルリン・フンボルト大学、2002年)

博士(法学)(2002年ベルリン・フンボルト大学)

職位:教授(法学部法律学科)

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