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政治学科 高橋 伸夫

PROFESSOR MEMBER

高橋 伸夫

高橋 伸夫

≪教授≫
高橋 伸夫 (たかはし のぶお)

慶應義塾大学法学部政治学科 教授
法学博士

中国現代政治史

1960年 北海道生まれ
1982年 筑波大学第二学群比較文化学類 卒業
1984年 筑波大学大学院修士課程地域研究科 修了
1987年 慶應義塾大学法学研究科博士課程 修了
1999年 慶應義塾大学法学部助教授 就任
2001年 北京大学 留学
2002年 University of California, Berkeley 留学
2005年 慶應義塾大学法学部教授 就任
2015年 慶應義塾大学東アジア研究所所長 就任

<主要著書>
・『中国革命と国際環境――中国共産党の国際情勢認識とソ連、1937年~1960年』慶應義塾大学出版会、1996年。
・『党と農民――中国農民革命の再検討』研文出版、2006年。
・『現代アジア研究2 市民社会』(共編著)、慶應義塾大学出版会、2008年。
・『救国、動員、秩序――変革期中国の政治と社会』(編著)、慶應義塾大学出版会、2010年。
・『現代中国政治研究ハンドブック』(編著)、慶應義塾大学出版会、2015年。

どのゼミナールに加入する場合でも、そのゼミの担当教員がどのような研究を行っているかを知っておくのがよいでしょうから、私のこれまでの研究の簡単な紹介をしておきます。
私はしばらくの間、1920年代から1930年代における中国の農村革命の歴史を書き直すことに力を注いできました。初めから修正主義的歴史を目指したわけではありません。偶然手に入れた中国共産党の内部資料を読み進めるうちに、中国革命の歴史に関するある種の根本的な書き直しが必要だと考えるに至ったのです。
私の考えでは、土地改革を梃子に、湧き上がる農民運動に支えられた共産党が計画通り伝統的な農村社会を変容させていくといったこれまでの歴史のイメージ――革命の当事者である中国共産党自身が作り上げた歴史のイメージ――は当たっていません。中国の農民たちは、共産党の政策にときに便乗し、ときにそれを加工し、ときに換骨奪胎する能力の持ち主でした。その結果、土地改革においてはしばしば小作人ではなく地主が土地を獲得し、若者は革命そっちのけで「自由恋愛」に走り、共産党の軍隊は大量の逃亡兵の出現に悩まされ、そして農民は党の名を借りて私的怨恨をはらそうと躍起になっていました。中国革命の意図と現実はかくも大きく異なり、またその過程はほとんど統御困難だったのです。このような党権力と社会の関係は、現在の中国における国家権力と社会の関係にも通じるものがあり、その点でも興味深いと思っています。
1930年代の中国、それも辺鄙な農村地域という限られた時間と空間の考察は、革命という概念の再検討、および革命の比較という理論的な問題にも多くの示唆を与えてくれました。私が描いた革命は、歴史にはっきりとした断絶を持ち込んではいません。この革命の過程においては、新しい文化が古い文化を圧殺するのではなく、この両者があらゆる形で混合され、場合によっては伝統が再活性化してしまうのです。また、特定の階級が革命の担い手となったというよりは、少数の理想に取り付かれた人々と、入れ代わり立ち代わり現れる「勝ち馬」に乗ろうとする多数の日和見主義者の組み合わせこそが革命の進路、テンポ、変革の及ぶ範囲に決定的な影響を与えたように思われるのです。
現在は、革命後の1950年代における大粛清の研究を行っています。これは今日われわれが目撃している中国の権威主義体制が、なぜあのような姿となったのか、その起源に関わる問題です。
したがって、私のゼミナールに参加したい諸君が、(1)中国革命はなぜ生じたか、(2)その革命はどのような過程をたどったか、(3)中国革命の現在まで残る影響はどのようなものか、(4)そもそも革命とはいかなるものか、といった点に関心を持っているとしたら、教員と学生諸君とのもっともよい知的な相互作用が生まれるでしょう。問題意識は、現在の中国から始まっても、いっこうにかまいません。現在の問題を考えるのに、歴史的な観点がなぜ重要なのかについて思考をめぐらせる諸君の参加を歓迎します。

4年生5人 3年生5人

message

  1. Chineseness

前期では中国一国に注目し、「中国的なるもの」を儒教・社会・宗族・経済など様々な観点から探求していきます。 (地域研究)。

 

  1. Comparative Politics

後期では米国の新しい学問である比較政治の分析手法を用いて中国を研究します。他国との比較を通じて中国を俯瞰し、更なる理解を深めていきます(比較政治)。

 

  1. Global Mind

年間を通じて獲得した地域研究としてのミクロ的視点・比較政治としてのマクロ的視点という均衡の取れた視点は、世界の5人に1人が中国人である国際社会において国際的な感覚として将来発揮されます。

 

≪クラス≫

本ゼミ:水曜3限(3年生)、4限 (4年生)

 

授業進行:高橋先生が指定なさった文献を毎週担当者が2枚ほどのレジュメを作成・発表し、それについてゼミ生が議論した上で高橋先生からフィードバックを頂きます。

 

・アットホームで落ち着いた雰囲気が特徴です。
・自分の興味ある知識に貪欲な人が多いです。

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